人間のカラダは約60%が水分で、残りの約20%が筋肉や内臓、血液などを構成するたんぱく質といわれている。
実は、このたんぱく質を構成するのがアミノ酸。つまりアミノ酸は、人間の生命活動を支えるには必要不可欠だ。
自然界に500種類以上あるといわれるアミノ酸のうち、人の筋肉や肌などのたんぱく質合成にかかわるのは20種。このうちの9種は、体内で合成できないため、食事から摂取する必要がある「必須アミノ酸」だ。中でもバリンやロイシン、イソロイシンの3種は、BCAAといわれ、筋肉のエネルギー代謝に深くかかわっている。
「リオ五輪で活躍した競泳の瀬戸大也選手(22才)は、昨秋に受けた手術の影響で筋肉が落ち、持久力もありませんでした。そこで今春より、練習の時に体調管理に必要なアミノ酸をしっかり摂るよう栄養面を改善。しばらくして体格が回復し、充分にトレーニングできる体になったんです」
と話すのは、アテネ五輪から競泳日本代表の栄養をサポートしている『味の素』スポーツニュートリション部の片山美和さん。その後、瀬戸選手はリオで銅メダルに輝いている。
リオ五輪の競泳日本代表選手たちは、トレーニング前後はもちろん、レースの合間のエネルギー補給のためにもアミノ酸を摂取。深夜に及ぶ試合でも、最高のパフォーマンスを引き出す助けとなったという。
今や、アスリートにとって必要不可欠となったアミノ酸だが、スポーツをしない人には必要ないのだろうか?
『協和発酵バイオ』ヘルスケア商品開発センターの西村明仁さんは、こう話す。
「数年前から、元気な長寿者は肉や魚を積極的に食べているというニュースをよく聞きます。肉や魚にはたんぱく質が多く、これらの摂取は、加齢で減少する筋肉を落とさず、元気な体づくりに役立ちます。たんぱく質の最小単位であるアミノ酸は、これから体を作る子供はもちろん、高齢者に至るまで、積極的に摂取してほしい栄養素です」
今や、アミノ酸の組み合わせで睡眠や体力維持、筋肉増強などの効果が得られるという研究もある。あなたの日常にも上手に取り入れて、健やかなカラダを維持して!
※女性セブン2016年11月10日号