元・宝塚歌劇団花組トップスターで、退団後は女優として活躍する真矢ミキ。2015年3月からは情報番組『白熱ライブ ビビット』(TBS系)のMCも担当する彼女が、「アンチエイジング」について自身の考えを語った。
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東京オリンピック・パラリンピックまであと4年を切り、なんだか日本中がソワソワしているのを感じます。
私は高度経済成長期のど真ん中、東京オリンピック直前の1964年の1月生まれですから、当時の日本もこれくらいのソワソワ感だったのかなぁ、いやいやこんなもんじゃなかっただろう…と想像してみたりします。
私たちの世代は、そんなソワソワ感の中で生まれ、大人になった頃にバブルがやって来たせいか、なんだかちょっとおめでたいところがあるような気がしますね。
そろそろ女性として落ち着くであろう40代には“アラフォー”というオシャレな言葉が流行り、以前なら「オバサン」と呼ばれても文句を言えない50代が近づいてきたら、ちゃんと“アラフィフ”という言葉が用意されている。流行り言葉に踊らされているわけじゃないけど、いつまで経っても大人になりきれてないのが“アラ前回の東京オリンピック生まれ”なのかなぁ、と思う2016年です。
“アンチエイジング”という言葉が普及したのは、いつ頃のことでしょうか。いかに実年齢より若く見えるか? ということに女性たちが熱中し「若いことこそ、素晴らしい!」というのが価値観のすべてになってしまった感がありますが、最近ちょっとだけ変わってきた気がしています。
というのも、思わず「カッコいい!!」と叫んでしまいそうな年上のかたに出会うことが多いんです。60代、70代はもちろん、100才以上のかたたちが、本当に素敵!
これまで重ねてきた年齢分の経験という財産があり、お化粧にも身につけているものにも、もちろんお顔に刻まれたシワのひとつひとつにさえ説得力がある。もし彼女たちに年齢を尋ねたとしたら、胸を張って、
「還暦過ぎてるのよ!」
と、自信に満ちたお答えが返ってくるのだと思いますし、「戻れるのなら何才に戻りたいですか?」なんて聞こうものなら、
「愚問ね。戻りたくなんかないわよ、あんなめんどうくさい頃になんて。大変なことをたくさん乗り越えて、やっと今、熟成され、いろんなことをゆっくり楽しめる世代になってるのに」
と、おっしゃるのではないか。それくらい、自信満々にエイジングを楽しんでいらっしゃる年上の女性たちにお目にかかる機会が本当に多いんです。
かつて私がまだ大人ではなかった頃、30才ともなればもう大人の完成品だと思っていたけど、いざ自分が大人になってみたら全然そんなことない! まだまだ未完成品だし、50代くらいで「もう人生わかった」なんてあぐらをかいてたらえらい目に遭うぞ! いくつになっても、今日は新しい日。初めて経験することばかりなんだから、大人は大人なりに一生懸命に生きないとね。
撮影■渡辺達生
※女性セブン2016年11月10日号