いよいよ本番のストーブリーグ。FA市場で目玉になりそうなのが、今季3割6厘、17本塁打、70打点という成績で復活を果たしたオリックス・糸井嘉男(35)だ。FA権獲得となる今シーズンは目の色が違っていたという。
「糸井は今季53盗塁で、初めての盗塁王を史上最年長で獲得しました。この活躍を見たら、機動力を重視する阪神の金本知憲・監督は是が非でも欲しいはずです。オリックスは糸井のFA移籍を何とか思いとどまらせようと4年18億円の条件を用意しているようですが、“打てない、走れない”で苦しんだ阪神も同等の4年契約を提示し、金本監督が直々に説得に乗り出すと見られています」(在阪スポーツ紙記者)
糸井は京都出身で、近畿大からドラフト自由獲得枠で2004年に日ハム入り。2012年オフにはポスティングでメジャー移籍を模索するも叶わず、オリックスにトレードされた経歴の持ち主だ。「もともと関西に愛着があるし、ヒザに古傷があるので人工芝より天然芝の甲子園でのプレーを希望している」(同前)とみられてきたが、そこを札束攻勢でひっくり返そうというのが、巨人の目論見のようである。
「外野のレギュラーが長野しか固まっていない巨人としては、糸井もしくは日ハムの優勝に貢献した陽岱鋼(29)のどちらかは最低でも獲りたいと考えている。日ハムはFA権を行使しての残留を原則認めていないので、陽が宣言すれば、阪神、楽天、ソフトバンクなども含めての熾烈な争奪戦になるのは必至です」(別の球団関係者)
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2016年11月11日号