今オフのFA市場では、中日の平田良介(28)と大島洋平(30)も移籍の可能性があるとされているが、同球団のカレンダーには興味深い傾向があるという。
「中日のカレンダーでは以前から、1~3月には現役続行が微妙なベテランやFA宣言しそうな選手を詰め込む傾向があるんです。開幕する4月以降は、主力選手をピンで並べ、夏場からは若手を中心に数人ずつまとめて登場させる。いなくなりそうな選手を開幕前の早い月に載せてしまえば、シーズンが始まる頃には剥いで捨てられていて関係ないということなのでしょう」(中日新聞関係者)
となると、平田、大島は1~3月に配されることになるのか。しかし、そうなると“(看板となる)4月に移籍しそうな選手を載せて残留交渉の説得材料に”という考え方とは正反対になる。カレンダーを見た選手が“1~3月に配置された俺は、やはりいなくなる選手としてカウントされているのか”と思いかねない。
「落合(博満)GMならそういうことをやりかねません。“載せなくていい”とさえいうかもしれませんよ。今年のカレンダーでも、2月には現役続行が危ぶまれていた岩瀬仁紀(41)が配されていた。もっといえば、シーズン途中で解任された谷繁元信・監督が、いの一番に破り捨てられる表紙に使われていましたね(苦笑)」(同前)
いずれにせよ、FA市場で争奪戦が繰り広げられる選手については、カレンダーのどこに登場するかが注目されていくことになる。
「西武では岸孝之(31)がどうなるか。岸は宮城出身で、名取北高から東北学院大に進んだ東北のスター。今年で西武との3年契約が切れ、FA行使で楽天への移籍が有力視されています。今年の西武のカレンダーで、岸は『4月』でしたが、ライオンズは来年版で岸をどう扱うのか、気になるところです」(担当記者)
岸獲得に動くとみられる楽天は今オフ、星野仙一・球団副会長が音頭を取って補強活発化の動きを見せている。
「梨田昌孝・新監督を迎えながら、日本一になった2013年以降は下位に沈んでばかり。今年は地元出身の岸の獲得に3年10億円の条件を用意しているというし、星野人脈で中日から平田、大島も狙うともいわれ、巨人とFAの市場でぶつかり合うことになりそうです」(球団関係者)
来年のカレンダーを並べた時に“この選手も結局ウチに来たな”と高笑いできる球団はどこになるのか。
※週刊ポスト2016年11月11日号