ライフ

四国独特の掟 隣り合う県同士が嫌い、離れた県同士は親しい

愛媛県民自慢の名城・松山城(撮影/太田真三)

 香川、徳島、愛媛、高知からなる四国には、四国以外の人間には理解不能な不思議なルールが存在する。隣り合う県同士が嫌い合い、離れた県同士は親しくするという“独特の県関係”が存在するのだ。

「香川県は隣接する愛媛と徳島が嫌いで、対角線上の高知との関係は良好。同じように愛媛県は香川と高知とは仲が悪いが徳島とは仲がいい」(四国なんでも88箇所巡礼推進協議会会長・佐藤哲也氏)

 そんななか“四国ナンバーワン”を激しく争っているのが高松(香川県)と松山(愛媛県)だ。高松は伝統的に四国の玄関口として栄え、現在も国税局をはじめとする国の監督官庁は高松に置かれている。一方、人口では松山が高松を上回り、NHKの四国地方における拠点局も、高松ではなく松山に置かれている。

 しかし、狭い四国を二分しての戦いだけあって、そのスケールはなんとも微笑ましい。まずは、松山市民の攻撃だ。

「高松なんて、うどんだけ。松山には愛媛みかんも鯛も道後温泉もある」
「松山には東急ハンズがあるからね。前は『ラフォーレ原宿』もあったんです。なくなったけど……」
「行ってよかった『日本の城』ランキングで松山城は6位。高松城は圏外」

 高松市民も黙っちゃいない。

「JR松山駅はいまだに改札の切符が手渡し」
「アーチストのツアーで、四国で1か所しかやらない時は、たいてい高松に来る」
「高松では大阪のラジオが聞ける。松山では聞けないでしょ?」

 他地域の人間には、ほとんど子供のケンカにしか聞こえない……。前出・佐藤氏もため息をつく。

「四国全体は人口が減少傾向にあり、市場規模や生産額も縮小している。あるビール会社の統計では、日本全体で四国のビールの売り上げはたったの3%。四国のなかでいがみ合いをしている場合じゃないですよ」

※週刊ポスト2016年11月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン