小池百合子東京都知事(64才)が高校卒業まで過ごし、作家・村上春樹氏(67才)が少年時代を送り、星野仙一元監督(69才)が豪邸を改築中の街・兵庫県芦屋市。「超」のつく高級住宅地として、全国から羨望を集める存在だ。
2005年に始まった大手不動産会社7社が運営する新築物件サイト「MAJOR7」の「住んでみたい街アンケート 関西圏」では、JR芦屋が2012年まで首位を独占。2013、2014年は2位になったが、2015年には再び1位に返り咲いた。
ところが、今年はまさかの10位。調査対象となる駅が152駅から1160駅に大幅に増えたことも原因と思われるが、芦屋市で不動産会社を営む社長はこう分析する。
「1位になった西宮北口は阪急西宮ガーデンズが2008年にオープンして雰囲気がおしゃれになり、道もきれいに整理されたからね。それと比べて芦屋はこの10年間、何一つ変化なし。それが原因っちゃあ原因やろか」
だけど当の芦屋市民は「芦屋は静かないい街。人気ランキングに挙げてほしくない」とどこ吹く風。こんな“お高く止まった”感じが周囲の人にはカチンとくるらしい。
「自分たちを“芦屋マダム”と呼び、上から目線でものを言う。芦屋のデパ地下は商品を安くしたら売れない…っていうけど、おかしいんちゃう? 見栄だけで生きてるような街ですよ」(尼崎市・48才・主婦)
1952年に国際観光文化都市に選ばれ、「緑ゆたかな美しいまちづくり条例」などの制度を次々に制定、2004年には「庭園都市」を宣言するなど、高級イメージへのこだわりの強さには、同じくプライドが高いといわれるお隣の神戸市民も口あんぐりだ。
「芦屋市は市内にパチンコ店が1軒もないし、雀荘ができた時にはニュースとして新聞に載ったほど。今年8月に餃子の王将が開店したけど、なぜか看板は『GYOZA OHSHO』とアルファベット表記…」(神戸市・62才・会社員)
実は芦屋市は今年7月、屋上広告や突き出し看板を規制する「屋外広告物条例」を施行したばかり。
「上質でハイセンスな芦屋らしい景観を守るのが目的とかで、看板や文字の大きさ、場所によっては使用できる色まで制限しようとしている。市を挙げて日本一セレブな街にしようというわけだけど、市民の中からも、そこまでやる!?という声が出ていますよ」(全国紙の市政担当記者)
前出の不動産会社社長も「芦屋では12~13階建てを建設しようとするだけで反対運動が起こる。タワーマンションなんて夢の夢」と嘆いていた。本当のセレブには、タワーマンションなんて目障りなだけ…なのかも?
※女性セブン2016年11月17日号