芸能

バカリズムの脚本に高評価 不倫ぶった切る「黒い十人の女」

バカリズム脚本で話題の『黒い十人の女』(公式HPより)

 お笑い芸人・バカリズムが脚本を務める『黒い十人の女』(日本テレビ系)に注目が集まっている。不倫という旬すぎるネタを、バカリズム独特の視点で斬りまくっている。その脚本の面白さについてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが綴る。

 * * *
 秋ドラマも中盤戦に入る中、いわゆる“ドラマ識者”と呼ばれる人たちから絶賛を集めているのは、意外にも読売テレビ制作の深夜ドラマ『黒い十人の女』です。

『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)の秋ドラマ特集で、テレビ誌編集長、スポーツ紙の芸能担当記者、テレビ解説者の3人全員がイチオシにしたほか、『週刊ザ テレビジョン』の対談企画でも4人中2人がベスト作品に挙げました。木曜の23時59分~という深夜の放送だけに視聴率は3%台と高くありませんが、密かに注目度が高まっているのは間違いありません。

 絶賛を集める最大の理由は、バカリズムさんの緻密かつ大胆な脚本。当作は市川崑監督が手がけた名作映画のリメイクですが、「ドラマプロデューサーの風松吉(船越英一郎)に妻と9人の愛人がいる」という設定以外はほぼ別物であり、2016年最大のテーマと言える不倫をさまざまな角度からぶった切っています。

 驚かされるのは、“40歳の独身男性”であるバカリズムさんが、9人の不倫女性と1人の妻を見事に描き分けていること。

 たとえば、何度も別れようと思って切り出しながら、けっきょく戻ってしまう24歳のテレビ局受付嬢・神田久未(成海璃子)=不倫をやめたい女。他の愛人を蹴落とそうと暗躍する34歳のドラマAP・八神美羽(佐藤仁美)=独占したい女。悪いのは男だから愛人全員と仲良くしようとする38歳の舞台女優・雪野佳代(水野美紀)=仲良くしたい女。9人の愛人がいると聞いても、甘い恋心が抑え切れない39歳の脚本家・皐山夏希(MEGUMI)=甘える女。イケメンの独身男性からも言い寄られて迷いつつ、2股になってしまう25歳の若手女優・相葉志乃(トリンドル玲奈)=揺れる女。

 残りの5人も実際にいそうな不倫女性として描かれていますが、スゴイのはバカリズムさんの想像力。「独身アラフォーの芸人なのに、なぜ女心が分かるの?」という声もあがるほどの類いまれな観察眼に、強烈な皮肉と笑いのセンスを絡めて、おもしろおかしく不倫を描いているのです。

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン