ライフ

【著者に訊け】川村元気氏 『四月になれば彼女は』

川村元気氏が『四月になれば彼女は』を語る

【著者に訊け】川村元気氏/『四月になれば彼女は』/文藝春秋/1400円+税

 かねて結果を出す人ではあったが、こうも出し続けられると、畏れ入る他ない。観客動員が1260万人を突破(10月25日時点)した映画『君の名は。』(新海誠監督)、『悪人』に続く吉田修一原作・李相日監督の『怒り』を企画・プロデュースした川村元気氏。そのさなかに書かれた最新小説『四月になれば彼女は』も、どこか世界観が重なる。

「『今は恋愛映画なんて中高生しか観ない』と言われていた中で『君の名は。』がこれだけ大人にも支持されたのは、『恋愛小説は売れない』と周囲に反対されながら恋愛小説を書くことに挑戦した僕に勇気をくれました。同時に吉田さんの『怒り』とどこか同じ気分を共有していて、怒りや誰かを愛する気持ちすら叫べないのが今だとしたら、恋愛できない男女を書く恋愛小説があってもいいのかなと」

 表題はサイモン&ガーファンクル『April come she will』から。4月から翌年3月まで、結婚式を翌春に控えた精神科医〈藤代〉とその婚約者の〈弥生〉、さらに学生時代の元恋人〈ハル〉らの人生の交錯を追う。一見安定した関係にも潜む、〈変化〉や孤独が切ない。

「ポール・サイモンが4月から9月までしか歌わなかったので、その続きを書こうと。恋が失われた後をどう男女が生きていくのか」

 同棲して3年が経つ藤代と弥生の間にも、既に恋と呼べる感情はなく、ここ2年はセックスもない。

関連記事

トピックス

石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト