これまで韓国政権は、「反日」カードを人気とりやスキャンダルの火消しに利用してきた。ところが、最近の様子はちょっと違う。日本のネット民の様子から浮かびあがる韓国の状況について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。
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朴槿恵大統領と「青瓦台の女帝」こと崔順実容疑者をめぐる一連の問題は、大規模デモにも発展。朴氏の支持率が5%となるなど、もはや政権の体をなしていない。崔氏の逮捕容疑は職権乱用と詐欺未遂だが、朴氏も検察の捜査を受ける意向を示した。
年末の日中韓首脳会談も韓国がこの体たらくではやる意味もなさそうだが、燃え上がる韓国の状況に対し、韓国ネタ(批判or罵倒)が伝統的に盛り上がる傾向の日本のネット界はどうなっているか。
これが驚くほど静かなのである。嫌韓にまつわるネットの話題の中心と起点は2ちゃんねるの書き込みであることが多い。ここでいかに盛り上がるかが、SNSなども含めネットの各所で盛り上がるかに影響する。
2ちゃんねるの「ニュース速報+」で盛り上がっているテーマが分かる「2NN」というサイトを見ると、11月8日朝7時段階で最も盛り上がっているのが神宮外苑のイベント会場で展示物が燃えて5歳男児が死亡した件で、この話題については約5万4000件のコメントが書き込まれ、平均書き込み数は1時間あたり767件。
今回の韓国がらみの事件でいえば、最も書き込む勢いが強いのが、崔一家の財産没収に関する特別法を韓国野党が推進する件だ。これは書き込み件数591件で、1時間あたり50件。まったく盛り上がっていない。