世界トップクラスの長寿大国の日本。1992年の高齢者と2002年の高齢者を比較すると11才若返り、知能検査のデータでも、最近の70才の平均点は10年前の60代に相当するという。
そんななか11月11日に公開する今年最高のクラシック音楽エンタテインメント『オケ老人!』の主役は、タイトル通り、老人。同映画に出演する左とん平(79才)、小松政夫(74才)、石倉三郎(69才)、笹野高史(68才)が、佐藤愛子さん(93才)の大ベストセラー『九十歳。何がめでたい』について語った。
石倉:この本、おもしろいよね。まさに今おれらが言っていたようなことが書いてある。佐藤愛子さんが書くから売れるんであってね、おれが書いたらバッシングなんだけどね(苦笑)。そういうものなのよ。だからこういう人がいるのはありがたいことなのよ。
笹野:今は若い人にLPレコードとかが売れる時代だから、今の若い人はむしろお年寄りの話を聞きたいんじゃないかな。一周回ってまた聞きたい時代になったんじゃないかな。
石倉:そんな殊勝な子がいるかね?
小松:(本を開いて)パッとめくったらこう書いてあった。《ことがあればすぐに連絡出来る。いざとなればパトカーが走って来るし救急車も飛んでくる。深夜子供がうろうろしているのを見かけても、心配する人はいない》そうそう、最近は子供を放っておけばいいっていう親もいるわけでしょ。でも、おれたちから言わせると、20才でもまだまだ子供。子供だから危ないよ。佐藤さんの言う通り。
左:しかし、“90才。何がめでたい”っていいね。90才、もう終わりだよ(笑い)。
石倉:それも健康だからいえることだけどね。これが寝たきりだったら、本当に何もめでたくないんだからね。
左:だからとにかくこの映画を見て参考にしてもらいたいと。どうやったら、いつまで元気で幸せでいられるか、ってね。
石倉:そういうことですね。
左:これでいいんじゃないですか?
石倉:さすがいい締めだ。
笹野:さすが先輩違いますね。
当たり障りのない無難なコメントをする芸能人が増えているなかで、一見自由に見えながら、やわらかくも骨のある4人の話には、さまざまなことを考えさせられる。
インタビュー後の写真撮影では4人ともタキシード姿だったこともあり、小松が「おれたち007みたいじゃないか」とうれしそうに言う半面、「こういうかっこつけは柄じゃない」と照れ笑いする左。さらには本誌カメラマン男性に向かって、「おれたちより上かな? どう思う?」「どうかな?」と小声でボソボソ…。そうしてそのまま夜の街に繰り出していった。あぁ、めでたい!
※女性セブン2016年11月24日号