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起床時が辛い腰痛患者の共通点は「寝返りを打つ回数少ない」

起床時が辛い腰痛患者の共通点は

〈8月、信じられないような情報がニッポンを駆け巡った〉──。11月2日放送の『ガッテン!』(NHK)は、こんな仰々しい謳い文句で始まった。「腰痛」をテーマにした、この回の内容は多くの視聴者に衝撃を与えた。NHK広報局がいう。

「放送終了後、視聴者の方から1258件の問い合わせがあり、“究極の腰痛解消方法を紹介してもらい、感謝している”といった声が数多く寄せられました」

 厚労省の「国民生活基礎調査」(2013年)によれば、腰痛を訴える人は全国に1328万人もいる。反響が大きいのも当然だろう。

 腰痛は、原因の特定が難しい病気だ。そのため外科手術やコルセットによる矯正、マッサージ、鍼など多くの治療法があるものの、根本治療は難しく、長年にわたって痛みに悩まされる人が少なくない。

『ガッテン!』が紹介したのは、その痛みを“元から断つ”方法。今年8月に東大病院が論文で発表したものだという。

 論文の著者は東大医学部附属病院リハビリテーション部・理学療法士の山口正貴氏だ。同氏は、問診の際に「朝起きた時が辛い」と話す患者が多かったことから、ある“共通点”に気付いて研究を進めた。それは「寝返りを打つ回数が少ない」ということだった。

 人がベッドに背中をつけた状態では、体重の4割もの重さが腰にかかる。そのため、筋肉の繊維が炎症物質を放出し、腰痛を引き起こすのだという。

 それゆえ、いくら日中に腰のコリをほぐしたり、運動をしたとしても、寝ている間に再び腰痛の原因を作ってしまうのだ。この理論には、16号整形外科院長の山田朱織医師も同調する。

「“寝返りが少ない”ことが腰痛の症状を悪化させる要素のひとつであることは、私たちの研究でも明らかになっています。

 二足歩行する人間の体は、日中、重力によって上から下に押されているので、実は歪んでいる。夜中に寝返りを打つことでそれをリセットしているのですが、寝返りを打たないとその機能が上手く働かなくなり、血液の循環が悪くなる」

 一般的には寝返りが少ないことは「寝相が良い」と肯定的にとらえられるが、実はそれが腰に大きな負荷をかけていたのである。

※週刊ポスト2016年11月25日号

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