芸能

東ラブ続編 柴門ふみ「最終回の『ある絵』に向かい描いた」

『東京ラブストーリーAfter25years』が話題の柴門ふみさん

 織田裕二主演で月9ドラマ化し、社会的な大ブームとなった『東京ラブストーリー』。その25年後を描く続編『東京ラブストーリーAfter25years』(全7回)の連載が、女性セブンでスタートした。大反響となっている『東ラブ』について、生みの親である漫画家・柴門ふみさんに話を聞いた。

 * * *
 赤名リカには、モデルになった数人の友人がいます。彼女たちは恋愛に真っすぐで、ものすごくパワーを持っていました。

 連載開始前の構想では、リカは脇役でした。田舎から東京に出てきた完治とさとみと三上の3人がメーンのラブストーリーを考えていたんです。

 ところが、実際に漫画を描いていく中で、リカが出ると話が動くんですね。場をかき乱す人がいてくれると、展開が刺激的になるんです。それで脇役のリカがメーンになっていきました。

「セックスしよ!」という言葉がすごくフィーチャーされましたが、私は「24時間愛してるから、24時間愛してほしい」というシーンが好きでした。あの頃の二十前後で恋愛にはまってる女の子は、それがいちばん正直な気持ちだったと思います。

 続編を書いたきっかけは、ビッグコミックスピリッツ編集部から続編の読み切り作品を依頼されたからです。

 過去の作品を読み返さないタイプなので、二十数年ぶりに読んでみたら、頭の中でリカとカンチが動き始めたんです。これなら続編を描けると思って、依頼を受けました。

 続編を描き始めてみると、描きたいことがどんどんあふれてきました。読み切りはわずか40ページだったので、描き切れなかった無念さのようなものが残ったんです。そこで女性セブンで全7回の続編を連載することになりました。

 今回のテーマは、「人生における時間の流れ」です。

 夫婦だったり、かつての愛し合った恋人だったり、男女ふたりが時間の流れによって、どう変化するのか。関係性だけでなく、その人自身も変化しますよね。変化した部分と変化してない部分を表現できたらいいなと思ったんです。

 その上で変化していない部分の中に実は大切なものがあるということを描きたかった。

 私自身が、同窓会で青春時代の仲間たちに会うと、「老けたな~」とぎょっとするんですけど、話してるうちに、その人の変わってない部分を感じるんです。その変わってない部分と向き合ったときだけは、昔の時間に戻れる。変わった部分が出てくると、またわれに返るみたいな。時間が経ったからこそ味わえる甘美な体験だと思います。

 多分、50才になった人たちはほぼ全員、経験しているんじゃないでしょうか。そういうところに共感してもらえたらうれしいです。

 また、リカのモデルになった女性たちは全員、すてきなお母さんになっています。そうしたこともあったので、続編では、リカを、立派に子供を育て上げた母として描きました。

 すでに全7回全部描き終わりました。最終回の“ある絵”が頭の中に浮かんでいて、それに向かって描いていきました。非常に満足しています。

※女性セブン2016年12月1日号

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン