病と闘いながら将棋に人生を捧げ、29才という若さで亡くなった伝説の棋士・村山聖(松山ケンイチ)の生涯を描いた映画『聖の青春』が11月19日に公開される。この作品で、村山聖の最大のライバルと称された羽生善治を演じたのが東出昌大(28才)だ。役者としても転機となったという、この作品への想いを東出が語る。
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この映画はある種、恋愛モノだと思っているんです。「青春」という言葉には、恋愛、尊厳、きらめきなどいろいろなものが詰まっている。
例えばあるシーンで、村山聖と羽生さんが食事をしているのですが、まるでデートをしているようで、本当にキラキラしていて好きですね。羽生先生を演じるにあたっては、先生の書かれた本を読んで精神性から勉強して役作りをしました。こんなに役に没頭して頭が真っ白になっても、お芝居ができるんだ…という役者をやっていて初めての感覚になりました。
撮影期間中は、ほかの現場に行くときにも将棋の駒を持ち運んで指し手の練習をしていました。この作品を機に、趣味でも本格的に将棋を始めたんです。
親父さん(渡辺謙=妻・杏の父)が『おしゃれイズム』(8月28日放送、日本テレビ系)に出演された際に、子供が生まれるっていう時にぼくがキャリーバッグに将棋盤だけを入れて病院に来たというエピソードを話していましたけど、将棋って練習用に布製の持ち運べるものがあるので、それと本を持っていたんです。
『聖の青春』という作品を通して、役者として、今後、これを超える作品に出続けなければという思いが生まれました。それは枷でもあるし、希望でもあります!
撮影■mika
※女性セブン2016年12月1日号