21歳、大学4年の時に交通事故で右足に麻痺が残り、杖が手放せなくなった楓友子(ふゆこ)さん。都内のIT企業に入社するが、自身が突く杖を見た知人の「そんなのしかないの? かわいそう」という一言にショックを受け、「だったら自分でオシャレな杖を作ろう」と、杖の装飾を始めた。
その後、会社を辞め、2011年に自らのブランド「Knock on the DOOR」を立ち上げ、日本でただひとりの“ステッキアーティスト”を名乗り始める。100年以上の歴史を誇るドイツ社製の白木杖をベースに、色を塗ったり、和紙などを貼りつけたりした後に、多種多様なラインストーン(模造宝石)で装飾を施す。杖は、「素敵ですね」と評された。
「中高年男性におススメしたいのはこちらです」と楓友子さんが紹介したのは、黒いラメ入りグリップと、ジーンズ柄を基調に黒いレースをあしらった『ジーンズクリスタル』という杖。他にも、あえてひび割れを入れてアンティーク感を出した『クラックブラック』も好評だ。価格は1万5000~4万円程度だ。
「サンプルからデザインを選んでいただき、注文を受けてから一本一本心を込めて手作りしています。装飾は応相談です」(楓友子さん)
※週刊ポスト2016年11月25日号