大谷翔平、松山英樹、錦織圭の3人は、世界レベルの輝きを放ち、公になっている年俸や賞金を比べて“稼ぎ”も拮抗しているように見えるが、実は差がある。
プロスポーツ契約に詳しい代理店関係者は、「ゴルフやテニスは賞金の10~20倍のスポンサー契約料が加算される一方、野球選手はウェアや帽子などのロゴで個人契約が結べないから年俸は高くても長者番付の上位に来ない」と解説する。
つまり、3人のなかで大谷が一番“稼げないスポーツ”を選んだということだ。ただ、大谷の将来性は相当高く見積もられている。
「来年のオフに獲得を狙うMLB球団はヤンキース、レッドソックス、ドジャース、パドレスなど。実現すれば田中将大(ヤンキース)の7年1億5500万ドルを超える、6年1億8000万ドル(年俸3000万ドル)クラスの超大型契約でしょう」(球団関係者)
ざっと年俸32億円だから、MLBの野球選手で現役最強左腕の呼び声高いドジャースのC・カーショーの3200万ドル(約34億円)級の値段がつくというのだ。
さらに生涯でどれだけ稼ぐかという話になると、様々な要素が絡んでくる。
「野球もテニスも、30代半ばが実質的な選手寿命と考えれば、生涯収入で最も有利なのはゴルフの松山くんでしょう」(早稲田大学スポーツ科学学術院の原田宗彦教授)との見方もある。
実際、世界レベルでの人気、ブランド価値の評価が急上昇しているのは松山だ。10月以降の大活躍もあって世界ランキングは6位に上がり、ロレックスとのスポンサー契約も獲得した。
「これは日本人として史上初。ロレックスはゴルフ界ではニクラス、ワトソン、ウッズなど超一流としか契約しないことで知られ、これが呼び水となって松山には今後、他社からの大型契約も舞い込むでしょう」(マネジメント会社関係者)
それだけ松山の実力・ポテンシャルが高く評価されているということだ。米ツアーを戦うなかでタフさを身につけてきたことが実力底上げにつながってきた。
「ゴルフは10月のシーズン開幕以降、12月の休みを除いて年明けから9月まで、プレーオフシリーズも含めて47試合の日程が続く。松山はそのうち20試合以上に出場。日本ツアーの試合にも出て、結果を残しました。
米ツアー本格参戦3年目で、シーズンを乗り切る体力も身に付いて成績が安定してきた」(担当記者)
※週刊ポスト2016年12月2日号