名探偵・金田一耕助を主人公にしたドラマや映画の放送増えている。NHK が、総合テレビ、BSプレミアムで、金田一作品を相次いで投入しているのだ。その見どころについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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高倉健、三船敏郎、役所広司。海外でも高く評価される日本の名優が共通して演じた役といえば?
「金田一耕助」
ピンポーン! その金田一が今秋、突然、何度目かのブームになりつつある。仕掛けたのはBSプレミアムである。
金田一耕助といえば、推理小説家・横溝正史が創り出した名探偵。第二次大戦前後、因習や複雑な人間関係がからみあって勃発する殺人事件を追う。その事件もたたりの伝承や手毬唄になぞらえて呪わしく演出されるのがお約束。独特ムードが漂うミステリーだ。
昭和二十年代の片岡千恵蔵版や冒頭の三名優版など、これまで数多くの映画やドラマが作られてきたが、なんといっても大ブームになったのは、1976年の市川崑監督の角川映画『犬神家の一族』。金田一は石坂浩二である。その後、古谷一行主演のドラマ版がスタート。
シリーズの第一作『犬神家』は最高視聴率41.5%を記録する大ヒットとなった。モノクロ映画時代は洋装の颯爽とした金田一も多かったが、石坂以降、(映画『八つ墓村』の渥美清を除けば)、よれよれの袴に着物、ぼろい帽子を被って、四角いトランクを持った、金田一ルックとも呼びたいスタイルが定着。西田敏行、豊川悦司、小野寺昭、鹿賀丈史、片岡鶴太郎、上川隆也、稲垣吾郎、長瀬智也、山下智久らが演じてきた。
そんな中、先日、BSプレミアムで放送された『スーパープレミアム 獄門島』。金田一は、長谷川博己であった。