国際情報

トランプとレーガン 比較する向きもあるが両者は全く違う

大前研一氏はトランプ新大統領をどう見る?

 大方の予想を覆して米大統領選を制したドナルド・トランプ氏は、どのような大統領になるのか。経営コンサルタントの大前研一氏が、最近よく引き合いに出される歴代最年長(69歳349日)で大統領に就任した故ロナルド・レーガン氏(第40代大統領)とトランプ氏を比較する。

 * * *
 大統領に就任した後のトランプ氏はどうなるのか? トラブルメーカー以外の何者でもないだろう。

 トランプ氏は来年1月20日の就任時の年齢が70歳220日で、69歳349日だったロナルド・レーガン元大統領を上回って史上最高齢の大統領となり、同じ共和党のレーガン大統領が「強いアメリカ」を公約に掲げていたこともあって2人を比較する向きもあるが、両者は全く違う。

 たとえば、トランプ氏は政治の素人だが、レーガン氏はカリフォルニア州知事を8年間務め、素晴らしい実績を残している。

 さらに、レーガン氏は大統領就任後、旧ソ連との冷戦を終結に向かわせただけでなく、金融・運輸・通信の3分野における規制撤廃と大幅減税を柱とする経済政策「レーガノミクス」によってアメリカ経済を再生した。今日のアメリカ経済の強さは、すべて「レーガノミクス」が素地になっていると言っても過言ではない。

 トランプ氏に批判的な“沿岸合衆国”(西海岸と東海岸)の隆盛を導いたのも「レーガノミクス」だったことを考えれば、両者の相違は鮮明だろう。

 一方、トランプ氏は選挙中の公約をほとんど実現できない可能性が高いと思う。なぜなら、彼が主張していることを全部足してみると、全く辻褄が合わないからだ。すでに軌道修正を始めているが、もし公約通りの政策を実行すれば、アメリカと世界は大混乱に陥るだろう。

※週刊ポスト2016年12月2日号

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン