年末年始を前にして、何かと出費がかさむこの季節。せめて光熱費だけでも節約したいと考える人も多いはず。そんな冬の光熱費でいちばんかさむのは、なんといっても暖房器具だ。1日12時間使用した場合の1か月の電気代を家電コーディネーターの戸井田園子さんが試算したところ──
エアコン(6畳用※電気暖房器具が暖められる一般的な広さが6~8畳程度のため、6畳で試算)→4380円
ハロゲンヒーター(電気ストーブ)→1万7490円
電気カーペット→1万4580円
ファンヒーター→1万6770円
オイルヒーター(※強モードで使用し続けた場合)→2万1870円
もっとも安いのがエアコンで、いちばん電気代がかさむオイルヒーターを使うよりも97日間で約5万6000円も安くなる。
戸井田さんによれば、冬の電気代のポイントは消費電力にあるという。
「エアコンは起動時には1000~1200Wを消費しますが、部屋を暖めている間は900Wくらい。30~60分たって部屋の温度が安定すれば、200~400Wで落ち着きます。製品によりますが、ハロゲンヒーターを“強”で使うと1200W、ホットカーペットは1000W、ファンヒーターは1150W、オイルヒーターは1500Wと高い。自分でモードを切り替えて調節しない限り、その消費電力が使用している間ずっとかかり続けるんです」(戸井田さん)
エアコンの消費電力が低いのは、他の暖房器具に比べて熱量を生み出す効率がいいから。通常、電気暖房器具は「消費電力のW数=熱量」だが、エアコンは「W数×5~6倍」の熱量を出せるという。
エアコンは苦手だからと電気ストーブを使う人も多いが、1日で400円以上も電気代が余計にかかっているかもしれないことを知っておこう。
◆設定温度を1℃下げて708円の節約に
コスパに優れたエアコンだが、それでも暖房使用時は冷房の3倍の電気代がかかる。
「夏は外気が35℃の時に室内を25℃に下げても10℃差ですが、外気0~5℃の冬に室内を25℃に上げようとすると20℃以上の差があります。どうしても冬の方が熱量がかかるんです」(戸井田さん)
節約するには、エアコンの設定温度を低くするのがいちばんだ。設定温度を1℃下げると電気代が約5%安くなるといわれている。月4380円なら、1℃下げれば月219円、この冬で708円の節約になる。
でも、だからといって寒いのをガマンするのはイヤ! 設定温度を下げつつ暖かさをキープするにはどうすればいいのか。
「大切なのは暖気を逃がさないことです。ドアの隙間に筒型のクッションを置いたり、厚手のカーテンを床まで垂らすなど、冷気の侵入を防ぐことで暖房効率はよくなります」(戸井田さん)
ただしフィルター掃除を怠ると、暖房効率が1年間で25%ダウンするとか。自動お掃除機能がついていないエアコンの場合、こまめなフィルター掃除をお忘れなく。