女性セブンのアラ還名物記者“オバ記者”こと野原広子が、世の中の不条理に鋭くメスを入れる! 今回は、街頭募金の話題です。
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「親族で5000万円集め、1億5000万円足りない」。36才の女が、天使のようにかわいい甥の写真を見せながら、その子の心臓移植手術の募金を呼びかけ、11月8日に記者会見した場所が厚生労働省。
自慢じゃないけど、私、真っ先に騙されたわ。だから、「住宅ローンを払いたかった」と認めたと知ると、腹が立つなんてもんじゃない。
だいたい、会見が紺のブレザーで、バレたら家でラフなパーカっていうのも、ひとをバカにしてるじゃないの! 詐欺未遂の片棒を担がされた厚生労働省の関係者も、何か言ってよ。
◆いくら集めて、何に使ってもカラスの勝手
で、怒りにまかせて、募金活動の手続きをネットで調べたら…知らなかったわ。駅の構内や道路を使うなら、駅や警察に届け出が必要になる場合もあるけど、募金の目的は問われないんだって。いくら集めて、何に使ってもカラスの勝手。当然、募金マナーなんか二の次、三の次よ。
あれは2000年、三宅島の噴火で、全島民が島外へ避難して、2005年に避難指示が解除されるまでの4年数か月の間のこと。大きな交差点の信号にいつも、募金箱を持った20代から30代はじめの若者が数人、張り付いていたの。
最初は、「三宅島の避難民に募金をお願いしま~す」と募金箱を差し出されたら百円玉をいくつか、箱の中に入れていたのよ。だけど、ある日見たら小銭がない。でも千円札は出したくない。
それで財布をバッグにしまって、「お金がないから」と信号を渡ろうとしたら、「100円も?」と聞く。「50円も?」。後を追いかけてきた男を振り切って、信号を渡り切ったと思ったら、「オバさん、ほんとうかよ」ってこう言ったんだよ。
◆寒空の下、他人のために街に立つ“正義“の人