今の季節が最旬の「えのきたけ」は、日本でもっとも食べられているきのこ。天然ものは茶褐色でかさも広く、旬は晩秋から冬にかけて。普段、私たちが食べている真っ白でヒョロリとしたえのきたけは人工栽培のもの。出荷量全国一である長野県では1923年に瓶による栽培が始まった。
えのきたけは低カロリーで食物繊維が豊富。さらにはキノコキトサンやエノキタケリノール酸など、ダイエットに有効な成分もたっぷり。一時期「えのき氷」や「えのき茶」が流行ったが、これは凍らせたり乾燥させてえのきたけの硬い細胞壁を壊し、有効成分を摂取しやすくする方法だ。スープならさらに食べやすい。
家庭料理研究家の松田美智子さんはこう説明する。
「昔、アメリカでいただいたサラダに生のえのきたけが入っていて、香りよくシコシコしておいしかったんです。湯通ししてちょっと食感を変えてみました。野菜高騰の折、安価なえのきたけは心強い野菜。ぜひご活用を」
えのきたけの下準備は、熱湯でしんなりさせるだけでOK。サラダや和えものにすぐ使え、ささっと「あともう1品」が完成する。クセがほとんどないので、合わせる食材や調味料を選ばないのも◎。そこで、えのきたけを使った簡単常備菜のレシピを紹介しよう。
■えのきたけの煮浸し
【1】えのきたけ2パックは石づきを除いて手でほぐす。梅干し1個は種を外して果肉を包丁でたたいておく。
【2】土鍋に【1】の梅干し(種も)、だし汁1/2カップ、しょうがのみじん切り大さじ1を入れて中火で煮立て、【1】を加える。酒大さじ3、みりん大さじ1で調味してさっと煮る。冷蔵庫で2~3日保存可能。
※女性セブン2016年12月8日号