投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の11月21日~11月25日の動きを振り返りつつ、11月28日~12月2日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。週末には1月4日につけた終値ベースでの年初来高値を更新した。日本では23日の勤労感謝の日、24日は米国が感謝祭の祝日といったなかで海外勢のフローは限られていたが、外国為替市場で円安が進むなかでリバウンド基調が継続している。トランプ物色についてはメガバンクが一服するなど、一巡感が意識されたが、トランプ政権に対する期待は大きく、押し目待ちに押し目なしの状況となっている。
また、22日には福島県沖でM7.3の地震が発生したことを受けて、外国為替市場で円安が一服し利益確定の売りが先行する場面もみられた。しかし、その後は全ての地域で警報が解除されるなか、小幅ながらじりじりと上げ幅を広げる展開だった。さらに、トランプ次期米大統領は就任初日にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの撤退の意思の通知を公表すると述べたと報じられたが、市場の反応は限られていた。
今週は米国市場のほか、原油相場や欧州の動向を睨みながらの相場展開になりそうだ。米国では感謝祭翌日のブラックフライデーからクリスマス商戦が本格化するが、週明けのサイバーマンデーへの期待も大きいだろう。ただ、月末にはOPEC総会が控えており、神経質にもなりやすい。その他、イタリア政府は憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に実施する。ブレグジットとドナルド・トランプ氏の次に来るのはイタリアとの見方もされている。英国、米国に続く次の舞台としてイタリアの国民投票に注目が集まるなか、物色を手控える動きがありそうだ。とはいえ、トランプ・ショック後の相場反転を見る限り、市場は調整局面では押し目拾いと考えそうだ。
日経平均は終値ベースでの年初来高値を更新しており、いったんポジションを軽くしておきたいところ。ただし、これといった調整が無いなか、判断に迷うところである。トランプ相場は何らかの発言等でひっくり返るリスクはあるが、今はポジションを減らしても、ショートポジションを積み上げるにはリスクが高いだろう。