慰安婦問題への異様なこだわりをはじめ、韓国人の反日現象の最大の背景は対日コンプレックスだが、彼らはその不愉快な心理を癒す手立てをいくつか持っている。その一つは「日本は島国だ」という日本への嘲笑(?)だ。自らを大陸民族と思うことによって、島国の日本をケチな存在としてバカにし、癒されるという心理である。
もう一つ「日本は地震が多い」というのもそれだ。韓国暮らしが長い筆者は、先の東日本大震災の時など「韓国に移住しなさいよ」「韓国に家を買っておきなさい」とよくいわれた。「いずれ沈没する日本」に比べ韓国は安全、安心だからというわけだ。実際、あの地震の時、韓国メディアは大見出しで「日本沈没!」と伝えて溜飲を下げた。
だから「地震のない韓国」は、韓国人にとって対日コンプレックスの大きな癒しだったのだが、今年9月12日、観測史上最大規模のM(マグニチュード)5.8の地震が起き「韓国も安心できない!」といって今や大騒ぎになっている。数少ない対日優位意識が揺らいでしまった。
しかもこれまで地震には何の備えもなかった国だから、早速、国を挙げて“地震大国・日本”に学べとなった。対日優越感が一挙に逆転し、また日本の後を追っかけることになってしまった。しばらくはもう反日どころではない。
朝鮮半島は地盤が古くて固いところだから、M5.8といっても揺れは震源地の慶州あたりで震度4~5くらいか(韓国では震度を表示しない)。家屋倒壊などはなく、屋根瓦が落ちたり、土塀が崩れたり、ガラス窓が割れたりという程度だった。
それでも慶州では人びとはパニックになり、屋外テント暮らしまでしていた。古都として観光で成り立ってきた街だったのに、修学旅行をはじめ秋の観光シーズンに客は半減してしまった。日本旅行での地震経験もそうだが、慣れていないだけに韓国人の地震に対する恐がりようは尋常ではない。
経験がなく、備えもないから心配しだすときりがない。震源地の慶州に近い東海岸は韓国の“原発銀座”だ。建設時はまったく話題にならなかったし、誰も耳にしたこともなかった「活断層」の話が、急にマスコミを賑わしている。