中国共産党最高指導部が、来年8月1日の中国人民解放軍の建軍90周年記念日に軍事パレードの開催を計画していることが分かった。習近平指導部は昨年9月、ロシアのプーチン大統領や朴槿恵・韓国大統領をはじめとする各国要人らを招き抗日戦争勝利70周年の記念行事として、北京中心部で大規模軍事パレードを実施しており、2年間で2回も大規模な軍事パレードを開催するのは極めて異例だ。
これは来年秋に開催予定の第19回中国共産党全国代表者大会(党大会)を前に、習氏が自身の権威を高める狙いがあるとみられる。ネット上では、「習近平は、絶対的な権力者だった毛沢東主席によほど近づきたいのだな。野心満々で見苦しい」などとの書き込みもある。
香港紙「リンゴ日報」が広東省珠海でこのほど開かれていた国際航空宇宙ショー参加の国防企業関係者の話として伝えた。関係者は既に当局からの指示を受けているという。
香港の中国軍事専門家は「2年間で2回は多すぎて前例がない」と前置きして、通常、中華人民共和国の建国50周年(1999年)や60周年(2009年)といった節目に行われてきており、「昨年の抗日戦争勝利70周年での軍事パレードは極めて異例。さらに、建軍記念日での閲兵式も例がない」と指摘する。
それが、来年の建軍90周年記念日に合わせて、軍事パレードを行う理由として、この専門家は「来年後半に予定される第19回党大会を前に、党の『核心』に位置付けられた習氏が、自身が推進してきた軍事改革の成果を強調するのが最大の狙い」と分析する。
このため、ネット上では「そんなに閲兵がやりたいのならば、2か月に1回、年6回やればよい。そうすれば、工場の操業も停止し、自動車の市内の乗り入れ規制などで、PM2.5もなく、閲兵ブルーの青空が楽しめるから」といったものや、習氏をヒトラーに見たてて「ヒトラーの誕生日も記念して、パレードをやれば」、あるいは「まるで皇帝の巡行みたいだな」と皮肉る書き込みがされている。