多くの人が、気にとめず捨ててしまっている「米のとぎ汁」。しかし、昔の人は、掃除や洗濯、洗顔などに賢く使っていた。
「米のとぎ汁にはもともと、ビタミンB1、B2、E、セラミドなど、美肌を保つ成分が含まれています。これを常温に1日置いて発酵させるだけで、酸化還元数値がアップすることがわかりました」と言うのは、発酵生活研究科の栗生隆子さん(「」内、以下同)。
酸化とは、物質が酸素と結びつくことをいい、鉄をサビさせるのと同様、野菜や果物の味や色を劣化させる。体内で酸化が起こると活性酸素が発生し、老化や不調の原因に。酸化還元とは、酸化した状態を元に戻し、細胞を活性化させる力で、測定値がマイナスになるほど、還元力が高い。
「とぎ汁の酸化還元値は、1回しかといでいない水より3回目にといだ水の方が数値がよく、とぎたての時は『302』だったのが、1日常温に置いて発酵させたところ『マイナス505』に。普段は捨ててしまっているとぎ汁で、手軽に還元力の高い“発酵水”が作れるので便利ですよ」
酸化還元値の高い発酵水は油汚れを分解し、除菌・消臭効果が高いので掃除に大活躍。さらに、保湿力があるので美肌効果も期待できる。毎日出るとぎ汁こそ、日々の掃除に活用してみては?
◆お米の発酵水の作り方
・用意するもの お米2~3合、水500ミリリットル(2.5カップ)
【1】ボウルなどに米を入れ、多めの水を入れる。表面についたごみや雑菌を洗い流すために、軽く2~3回かき混ぜて、とぎ汁を捨てる。
【2】【1】に再度、適量の水を入れて米をとぎ、とぎ汁を捨てる。
【3】【2】に2.5カップの水を入れて米をとぎ、とぎ汁を殺菌済みの蓋つき容器に保存する。といだ米は、普通に水加減して炊く。
【4】蓋は少し開けておき、常温(22~24℃)の日の当たらない場所にひと晩(約12時間)置く。
【注意!!】発酵が進むと、雑菌も増えて腐敗しやすいので、必ず1日で使い切る。
※女性セブン2016年12月15日号