9月まで連続ドラマとして放送された『神の舌を持つ男』が、早くも映画になって帰ってきた! 堤幸彦が原案・監督を務め“堤ワールド”炸裂の作品。「こんな人、いないですよね(笑い)」と笑いながら、蘭丸役で新たな一面を開花させた向井理(34才)の心境とは…?
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ドラマの撮影が終わって約10日後には映画の撮影に入ったので、5か月くらい蘭丸を演じていたことになるんです。NHKの大河ドラマや“朝ドラ”でもない限り、同じ役を長期で演じ続けることはないので、久しぶりでした。蘭丸は今までやったことがないタイプの役でしたね。
最初からメガネをかけているようなイメージがあったので、監督に話したら監督もメガネっぽいよね…と。監督はダサい感じがいいということで、メガネ合わせはたくさんしました。
蘭丸は神の舌を持つ男ですけど、ぼくは何も持ってないですよ。料理はストレス発散でうまいわけではないから、いまだによく指を切りますし(笑い)。
堤監督はアイデアが豊富なかたなので、撮影現場でセリフが足されたり、変わることが多かったですね。映画の冒頭でヒッチハイクするシーンがあるんですけど、それも付け足されたもので、ある日、現場に行ったらカースタントの人が来ていて、ヒッチハイクというか、さらわれてしまうような感じで撮影しました(笑い)。
撮影は結構タイトだったので、朝まで頑張っていることが多かったんです。でも、ぼくと(佐藤)二朗さんは晩酌が好きなので、朝まで撮影していて6時に宿に帰ったとしても一杯飲みたいんですよ。
お店はどこも開いていないので、自分でつまみを作っていました。キャンプが好きなので、キャンプで使う燻製器を持って行って、チーズ、ベーコン、うずら、ちくわなどを朝まで燻製をして。それを二朗さんといっしょに分け合いながら、2人で晩酌してましたね(笑い)。ドラマの時に草津の温泉地で撮影したときは、二朗さんと家族風呂用の温泉を貸し切りで楽しんだりもしました。
王道ミステリーにギャグを入れる堤監督と、遊ばれる俳優たちというすごくいいバランスの作品になっています。謎解きの部分もしっかりありますし、なんだかよくわからない小ネタを見つけるのも面白いと思います。細かすぎてわからないものもあると思いますけど(笑い)。
ドラマ版からのキャストはぼくと二朗さんと木村(文乃)さんだけなので、ドラマを見ていなくても楽しめます。堤監督独特の世界観を、迫力ある映画のスクリーンで味わっていただけたらと思います。
撮影■mika
※女性セブン2016年12月15日号