大豆から豆腐を作る際に、豆乳を搾った、搾りかすが「おから」。昔からうの花のような「炒め煮」などで食べることが多いが、それだけではもったいない、と、管理栄養士の大石みどりさんは言う。
「100%大豆から作られるものだけあって、おからは良質のたんぱく質。必須アミノ酸9種をすべて含み、植物性たんぱく質ながら、動物性たんぱく質に近いアミノ酸バランスを持っています。体の細胞を作るのに欠かせないたんぱく質が、肉や魚が苦手な人や、ダイエット中でも摂取できる、優秀な食材です」(大石さん)
大豆の持つ栄養素を、豆乳と分け合っている「おから」だが、特筆すべきは「食物繊維」の多さだ。
100gあたりの食物繊維は、豆乳0.2gに対し、生おから(新製法)は11.5gにもなり、生おからに大豆のほとんどの食物繊維が残る。
「食物繊維には、水溶性と不溶性がありますが、生おからの場合は不溶性食物繊維が11.1gと圧倒的に多い。食物繊維が多いイメージのごぼうに比べ、総量で2倍、不溶性だけなら3倍に近いのです。胃の中で水分を含んで膨むので、満腹感が得やすく、腹持ちがいいのも特長。腸にたまった老廃物の排出を促し、便通を促す効果も期待できますよ」(大石さん)
他にも、抗酸化作用のある「大豆イソフラボン」はもちろん、美肌に働く「レシチン」、脳を活性化させる「コリン」、血流を促してむくみ解消や脂肪の蓄積を防ぐ「大豆サポニン」などの成分も豊富だ。
「生おからの糖質は100gあたり2.3gと低糖質。乾燥タイプのおからは6.6gですが、水分量の差で、糖質を含む他の栄養素の割合は、どちらも変わりません。乾燥おからを小麦粉代わりに使えば、粉もの料理やスイーツを、簡単に糖質オフできます」(豆腐マイスター・山口はるのさん)
※女性セブン2016年12月15日号