SNOW(スノー)、Snapchat(スナチャ)、Instagram(インスタ)。いずれも若い女性を中心に人気を集めているSNSで、投稿したメッセージや動画などが一定時間を過ぎると「消える」機能を持っている。何でもスマホで写真や動画を撮るのは、残すためではないのか。正反対の機能を持つこれら「消える系SNS」が若者を、とくに女性を惹きつけるのは「リアルタイム性をつきつめているからでしょう」とITジャーナリストの高橋暁子さんはみている。
「消える系SNSはその瞬間にしか存在しないので『いま』を共有するのにぴったりです。リアルに話すとき、声は浮かんでは消えます。その形に近づいている消える系SNSは、リアルタイム性をつきつめたあり方です。大人は打ち合わせや連絡など用事のためにSNSを利用しますが、スマホネイティブ、SNSネイティブな若い世代は単なるコミュニケーションのために使います。消える系SNSは彼らのリアルに近いので選ばれているのでしょう」
消える系SNSの老舗でもあるSnapchatは2011年にサービスを開始、米国のティーンエイジャーの間で人気に火がつき、今ではホワイトハウスも公式アカウントを持つ。日本では顔を変形させたり犬にコスプレする機能などで人気を集めているが、もともと送った画像や動画が閲覧されると、最大10秒後に自動的に消えるのが初期からの大きな特徴だ。
撮った人物写真を犬や猫など、変顔をつくれるSNOWは2015年にサービス開始。豊富なデコレーション機能を持つカメラアプリとして知られるようになったがSNS機能もあり、他のユーザー宛に送る写真やメッセージは24時間後に自動的に消える。
そして消える系SNSとしては最も後発になるInstagramだが、写真共有サービスとしてSnapchatより前の2010年に始まった。消える系へと変化を始めたのは2016年からで、8月からタイムライン掲載から24時間後に動画が消える「ストーリーズ」を提供、11月にはダイレクトメッセージで送った写真が自動で消える機能を追加した。