師走12月。あれこれしながら、つい、「あぁ、忙しい」という言葉が口からもれてしまうが、女優・知英(22才)の2016年は、とにかく忙しかった。
写真集とフォトブック。雑誌連載。ラジオのパーソナリティー。テレビドラマにCM。映画の主演も務め、9月には、「夢のひとつだったのですごくうれしかったです」というミュージカル初主演にも挑戦した。
「最初は不安ばっかりで。私にできるかな? せりふは? イントネーションは? 頑張っても頑張ってもうまくいかなくて。稽古が終わって家に帰ると、“あぁ、もう、ムリ!”って叫んでました(笑い)」
周囲が心配するほどまじめすぎる知英が目指すのは、いつだって、自分が納得できるか、できないか。どんなに追い詰められても最後は、「うん。頑張るしかない!」「死ぬ気で頑張れば大丈夫!!」とポジティブにいろんなことに挑戦してきた。
11月24日に放送されたテレビ朝日系連続ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子』の第7話の収録現場でもそれは同じ。左耳が聞こえない七瀬由香役を演じた知英は、本番を前に、初めてという手話の動作を、ひとりで何度も繰り返していた。
「韓国にいた時から大好きなドラマだったので、最初に聞いたときは、えっ!? ウソ? まさか……という感じで。しかも、日本人役ですよ。去年の今頃は、あのコ、日本語はしゃべれないんでしょう? って見られていたのに……これも、頑張ってきたご褒美ですよね」
と、唇の端に小さな笑みを浮かべた。
これが、知英自身が選ぶ2016年3大ニュースの第3位。2位はミュージカルの初主演で、1位は『JY』として再び歌手活動を始めたこと。月9ドラマの主題歌にもなった『好きな人がいること』がiTunesトップソングチャート1位を獲得するなど12冠を達成。
12月7日には、クールな『フェイク』と、キュートなクリスマスソング『恋をしていたこと』という真逆の2枚を同時リリースする。
「お芝居のように表現しながら歌う、山口百恵さんのようになれたらなって思うんですけど……道はまだまだ遠いですね。でも…」
でも?
「死ぬ気で頑張ります!」
弾けるように笑った知英の2017年は、今年と同じく大忙しの一年になりそうだ。
撮影■中山雅文
※女性セブン2016年12月15日号