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プロ野球「背番号」争奪戦、プライドと実力に影響される

背番号にも様々な思惑がある(山田哲人は1番)

 今オフのFA市場の目玉であるオリックスの糸井嘉男(35)が「4年18億円」の大型契約で阪神入りを決め、背番号は「7」と発表された。糸井が日ハム時代からつけてきた愛着ある番号だ。

 ただし、阪神の「7」は今季までメジャー帰りの西岡剛(32)が背負っていた数字でもある。担当記者が語る。

「番号を譲ることになった西岡は、来季から『5』になる。阪神では新庄剛志ら花形選手がつけてきた番号で、西岡は“糸井さんには気持ちよく(背番号を)つけてもらいたい”とコメントしたが、『7』はロッテ時代にもつけていたこだわりの番号です。

 今季は7月にアキレス腱を断裂して残りのシーズンを棒に振り、糸井に奪われることを呑むしかなかったが、内心忸怩たるものがあるでしょう。背番号を移る“迷惑料”が契約更改で加算されるともいわれています」

 大物選手の移籍には背番号のドラマが付き物となる。今オフは他に岸孝之(32)が、西武時代につけていた「11」を移籍先の楽天でもそのまま背負うことになった。これに伴って2010年のドラ1、塩見貴洋(28)は背番号を「17」に変更。

 一方、大型トレードで巨人入りした左腕・吉川光夫(28)は、日ハムでつけていた「34」が、巨人では400勝投手・金田正一氏の永久欠番。吉川が新たに選んだのは「21」だ。

「高橋一三、宮本和知、高橋尚成らがつけてきた番号で、吉川に不服はないでしょう。一方、これまで『21』だった昨年のドラ1・桜井俊貴(23)は『36』に、『36』だった中井大介(27)は『61』、『61』だった和田恋(21)は『67』と“玉突き変更”が必要になりました。実績を残せていない選手が番号を選り好みできないのは当然です」(同前)

 今オフのFA市場で未だ移籍先の決まっていない日ハムの陽岱鋼(29)も「背番号」で注目を集めている。

 日ハムでつけていた「1」は、初のゴールデングラブ賞を受賞した2012年のオフに「24」から登録変更したもの。台湾出身の大先輩・王貞治氏と同じ番号であることに一際こだわりを持つことで知られる。

 そして、今回のFA宣言を受けて陽の獲得に名乗りを挙げたのが巨人、楽天、オリックスだ。

「巨人の『1』はもちろん王さんの番号で永久欠番。一方、楽天では不動のクローザー・松井裕樹(21)がつけていて、オリックスは“マイナー帰り”の中島裕之(34)の番号。“中島が一番動かしやすいから、オリックスが移籍交渉では有利では”という人もいるくらいです」(球団関係者)

※週刊ポスト2016年12月16日号

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