周囲の意見など一顧だにせず、暴れまくるトランプ大統領の出現。この男に象徴されるように、世界では続々と独裁者が出現してきている。この現象の背後では、いったい何が起こっているのか。
トランプ氏の勝利を当初から予測していたジャーナリストの木村太郎氏と国際政治学者の三浦瑠麗氏が、世界に訪れつつある「独裁者の季節」について語った。
──世界的に独裁者の季節が到来している感がある。
三浦:フィリピンのドゥテルテ大統領は、中産階級の反乱を起こしたと言えます。
木村:民意による支持がないと強権的な政治はできなくて、今起きているのはそういう現象ですね。だから、これから日本でもあり得る現象かもしれない。
三浦:暴言を吐いて敵を作ってスケープゴートにしていくという手法ですね。
木村:橋下さん?(笑)。まあでも、ドゥテルテ大統領については、私は高く評価しています。マニラ・タイムズが論説で書いていましたが、彼が任期をまっとうしたらフィリピン史はBD(ビフォア・ドゥテルテ)、AD(アフター・ドゥテルテ)という時代分けになるかもしれないと。
外交はしたたかで、オバマは人権だの何だの文句は言うが、ビタ一文出さない、南シナ海にも駆逐艦を通すだけで何もしない、それなら中国と仲良くして漁ができるようにしたほうがいいという現実的な判断をした。日本にもそうした選択肢があると私は思っている。
三浦:ええっ!? 私はそうは思わないな。日本にとって最大の脅威はやはり中国だと思います。