師走に突入したこの時期、年末セールで安かったからと、ついつい消耗品を大量に買ってしまったり、大掃除の最中に見つけた使いかけの美容液をまた使い始めたり…。「食べ物じゃないからいつまでも使える」と思っている人は危険信号。
食料品に賞味期限があるように、モノにも正しい消費期限がある。期限を知らずに使い続けると思わぬ健康被害にあう恐れも…。今年の大掃除は毎日使っている日用品の見直しから始めてみよう。
国内では薬事法で、3年以上使用できるものは消費期限の表示をしなくていい決まりになっている。つまり、一般的な化粧品は、未開封なら3年間は最低でも品質が保証されているので問題なく使える。しかし一度開封したものは別。
シャンプーやリンス、コンディショナーも化粧品同様に、未開封なら3年以上使える。
「開封後は半年~1年で使い切ったほうがいいのは化粧品と同じですが、化粧品よりもさらに注意が必要です」と言うのは、MINX銀座ダーリング店の美容師・山内ヨシヒロさんだ。
「湿気の多い浴室で使うので、雑菌が繁殖しやすく、カビも生えやすい。できれば浴室にずっと置かず、使用するときだけ持ち込むほうがいいですね。大きいボトルを1人で使っていて半年~1年以内に使い切れない場合は、別のボトルに少量だけ詰め替えて使い、残りは直射日光の当たらない場所に保管したほうが衛生的です」
しかし、その“詰め替え”を勘違いしている人が多いと山内さんは指摘する。
「詰め替えているつもりで“継ぎ足し”になっている人が多いんです。本来、詰め替えるときはボトルの中をきれいに洗って、乾燥させる必要があります。ふたを開けなくても浴室では水や雑菌がボトルの中に入ってきますから、菌が繁殖したボトルに新しいシャンプーを足したところで、菌が増えていく一方です」
青ざめるのはまだ早い。詰め替えているのはシャンプーだけではないはずだ。
食器用洗剤を、お得だからという理由で業務用の大容量ボトルで詰め替えている人はいないだろうか。プロの清掃会社「キレイ堂」の香川裕子さんはこう語る。
「一般的に食器用洗剤は、未開封なら3年、開封したら1年が消費の目安です。洗剤は空気に触れた瞬間から劣化が始まり、洗浄効果が徐々に弱くなっていきます。詰め替え用のボトルも詰め替え時に空気に触れているので、1年以内に使い切れないのならムダになってしまいます。さらに天然成分でできたエコ洗剤は、開封後1か月しかもたないものもあります。それ以降は使い続けても、ほとんど水で洗っているのと変わりません」
※女性セブン2016年12月15日号