朴槿恵大統領にまつわるスキャンダルの反動で、現在、韓国では日本を持ち上げる論調の報道が相次いでいる。しかし一時的に「日本に見習え」論が出たとしても、結局はまた反日に戻ってしまうのが韓国という国だ。
実際に、次期大統領候補の顔ぶれを見ると、今年の7月に大統領選を見据えて竹島に上陸するアピールを行なった文在寅氏、「朴槿恵は大統領ではなく日本のスパイ」と罵るなどの過激発言で“韓国版トランプ”と呼ばれる李在明氏など、反日で知られる人物ばかり。韓国政治に詳しい浅羽祐樹・新潟県立大学国際地域学部教授は、こう語る
「日本は嫌いな国1位であると同時に、憧れる国1位でもある。そのどちらが前に出るかということ。ただし、次の大統領が反日に振れれば、ようやく軌道に乗ってきた日米韓の安保連携まで崩れかねない。韓国の混乱に日本まで巻き込むことは勘弁してもらいたい」
韓国では今、朴氏の進退をめぐって、「日本に亡命するのでは」とまで取り沙汰されている。野党幹部が、「朴大統領は辞任した瞬間に拘束される可能性が高い。亡命しなければならないだろう」と発言したことがきっかけとなり、野党を中心に「日本に亡命させてしまえ」という暴論が、まことしやかに飛び交っている。どこまで日本を巻き込むつもりなのか。
※週刊ポスト2016年12月16日号