「2017年はいよいよ世界的な株高が期待できる」──そう断言するのは、これまで数々の爆騰株を見出してきた、海外投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏だ。金融緩和と財政出動の拡大に伴い、資産バブル発生の好環境が整いつつあるという。以下、戸松氏が解説する。
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今後の世界的な好景気到来の兆しが見え始めている。日米独の長期金利(10年国債利回り)は2016年7月に揃って過去最低を更新したが、その後は上昇に転じ、底打ちした状況が見て取れる。これは、世界の債券市場が、今後の景気回復を見込んだ動きを強めているといえるだろう。
世界的にマネーが溢れる金融緩和も継続。6月のブレグジット(英国のEU離脱)決定前後から、ECB(欧州中央銀行)は社債購入開始、日銀はETF(上場投資信託)の購入拡大を発表し、日欧の金融緩和は量的な拡大から質的なものへと変化してきている。
世界的な金融緩和の拡大は、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が試算する「影の金利(シャドー・レート)」からも読み取れる。これは各国中央銀行の名目上の政策金利に量的緩和や緩和局面の長期化予想(フォワード・ガイダンス)などを金利に換算した実質的な政策金利を示すもので、日本はマイナス4.65%、同じく欧州はマイナス7.5%などと金融緩和拡大は顕著といえ、株式市場に資金が流入しやすい傾向が強まっている。
トランプ米大統領誕生も株式市場には追い風だ。財源問題や保護貿易主義などの不透明要因はあるものの、10年で6兆ドル規模の大幅減税や1兆ドル規模といわれるインフラ投資拡大で米国経済は加速する見通し。また、米国グローバル企業が海外に留保している利益への課税強化も検討しており、2004年に実施された本国投資法と同じく米国内への資金流入が見込まれ、ドル高・円安となっていることは日本株にとってプラス材料だ。
加えて、財政出動拡大の機運は世界的に高まっている。IMF(国際通貨基金)はG20(20か国地域財務相・中央銀行総裁会議)で各国に財政出動を要請。日本では大型補正予算が組まれ、中国でも官民一体のインフラ投資プロジェクトなど積極的な財政出動による内需刺激方針が発表されたほか、英国やカナダなどでも財政出動拡大へと舵が切られている。
このように「金融緩和拡大」に「財政出動拡大」が加わることによって、2017年はいよいよ世界的な株高が期待できる、というのが私の見方である。