「最低でも今季の2億円の倍となる4億円。思い切って3倍の6億円でもいいくらいだと思っていたから、この数字には驚きました」
北海道日本ハムファイターズ・大谷翔平(22)の契約更改についてこう感想を語るのは、現役時代にカミソリシュートを武器に巨人キラーとして活躍した平松政次氏だ。
12月5日、大谷は日本ハムの球団事務所で契約更改に臨み、「年俸2億7000万円」で一発サイン。会見では日ハムの先輩、ダルビッシュ有(30)が手にした高卒5年目としての史上最高年俸と並んだことに、「そういう方と同じ金額に並べて嬉しいです」と笑顔を見せた。
だが、7000万円アップは35%増に留まる。冒頭の平松氏以外にも、日ハムの“渋い対応”に戸惑いの声が少なくない。阪神で球団社長を務めた野崎勝義氏はこう語る。
「確かに“二刀流”は前例がないので、大谷君の査定をどうやるかは難しい問題でしょう。ただ、投打にわたる大活躍でチームを日本一に導き、パ・リーグMVPまで受賞していながら、前回のアップ率(1億円→2億円の倍増)より低いというのは、球界の常識としては考えられない」
本誌はシーズン終了後、複数回にわたって「大谷の来季年俸はいくらが“適切”か」を特集してきた(10月28日号ほか)。前出・平松氏の「6億円」という分析や大リーグ流出を食い止めるには10億円以上払ってもいいとする見方などを紹介してきた。それがなぜ、2億7000万円などという額になったのか。