これまで数々の爆騰株を見出してきた、海外投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏によると、金融緩和と財政出動の拡大に伴い、金融バブル発生の好環境が整いつつあるという。そうした中で、爆騰期待の個別株はどこにあるのか? 戸松氏が注目する「高成長お宝株」ベスト3を紹介する。
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より大きなリターンを望むにはどうすればよいか。やはり大幅な業績の伸びが見込め、ROE(株主資本利益率)などのファンダメンタルズに優れる企業のなかに「お宝株」は潜んでいる。そこで、「今期予想純利益成長率」と「今期予想ROE」に加え、株価チャートが堅調に推移しているかどうか、アナリストの注目度の高さなども加味して精査。注目度順に紹介しよう。
まずは、次世代ディスプレーとして注目高まる有機ELなどの製造・検査装置が主力のブイ・テクノロジー(東証1部・7717)である。足元ではスマートフォン用の中小型ディスプレー、高画質テレビ向けの有機EL関連や大型液晶パネルなどの大規模な設備投資が急速に伸びており、今期(2017年3月期)予想純利益成長率は92%にも上る。今期予想ROEも20%超とファンダメンタルズは好調そのものだ。
今後も特に日本国内では2020年の東京五輪に向けて超高精細な8K放送が始まる見通しとなっている。同社では旺盛な需要が続くと見て、強気な中期経営計画を立てているのも魅力といえる。同計画では2019年3月期の売上高が900億円(2016年3月期は391億円)、営業利益が140億円(同25億円)としており、計画通りに進捗すれば3年で株価3倍は優に狙えるだろう。
続いては、今後本格的に進む電力自由化が追い風となるイーレックス(東証1部・9517)だ。新電力(PPS=特定規模電気事業者)の一角として電力小売りを主軸に、卸売り、電源開発なども手がける同社は、再生可能エネルギーであるバイオマス発電を中心としている。
すでに国内3~4か所目となるバイオマス発電所への設備投資を進めており、完成すれば国内最大級になる見通し。政府の電力政策を追い風に、中期経営計画は4~5年後の売上高目標が1000億円(2016年3月期は228億円)、営業利益が100億円(同17億円)と野心的ともいえる積極的な数字となっている。株価も3年で3倍は目指せると見ている。
トリケミカル研究所(ジャスダック・4369)は、半導体や太陽電池などの製造に不可欠な特殊化合物の研究開発・製造・販売を手がける化学工業メーカー。
汎用品ではないウルトラファインケミカル(超高純度化学薬品)に強みを持つため、市況や経済情勢に左右されにくく、あらゆるモノがネットに接続される「IoT」(モノのインターネット)の発展で需要拡大が見込める高性能半導体の普及が同社の業績を大きく後押しすることが期待できる。株価も安定的に推移しており、業績拡大に伴って5年で3倍は期待したいところだ。