放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、芸能ネタが豊作だった2016年のテレビ業界を総括。
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年末に向けて、ワイドショーでは今年を振り返る企画のVTR編集に忙しい。
なんといっても今年は芸能ネタが豊富で、通常なら年末に1回行われる、スポーツ紙や週刊誌の記者、リポーターらを招いての座談会企画を何度も何度も見かけたものである。
たとえば『白熱ライブ・ビビット』(TBS系)。MCがジャニーズのTOKIO国分太一と、オスカープロモーション所属の女優の真矢ミキということで、フツーなら、「芸能ネタは、やりづらい」という考えになるハズだ。が、背に腹は代えられないのか。視聴率が確実に獲れる芸能座談会を数か月に一度のペースでやっている。
加藤浩次にハリセンボンの近藤春菜を加え、より“よしもと色”が濃くなった『スッキリ!!』(日本テレビ系)はどうか。コメンテーターにも芸能人が多いので、各所属事務所からは「芸能ネタは斬りづらい」と言われているハズである。だが、同番組では、リポーターの井上公造氏出演のコーナーがあって、ほぼ毎週、まんべんなく芸能ネタを扱っている。
そして小倉智昭MCの『とくダネ!』(フジテレビ系)は、めったなことがない限り芸能デスクの出演はないものの、やはり大きな芸能ネタはトップで扱う場合が多い。小倉氏は、そのコメントがネットニュースに度々アップされるキャスターの一人だろう。
先日、元NHKアナウンサーで、東京MXの『モーニングCROSS』キャスターの堀潤氏と女性誌の座談会で御一緒したところ、「うちは何の規制もないから、なんでもやれます」と笑っておられた。他番組にはやはり規制があるなか、芸能ネタの数字に活路を見出しているのは間違いない。
もっとも、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)のように、大物の訃報以外ほとんど芸能ネタを取り上げないワイドショーもある。