今年も残すところあとわずか。年末年始に神社を訪れる人も多いだろうが、知っていそうで知らないのが「参拝の作法」だ。ベストセラー『神社の謎』著者の合田道人氏が伝授する。
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お清めの手水が済んだら拝殿の前に立ち、まずは軽く一礼する。次に、鈴があれば鳴らす。八幡宮など庶民的な神社にはあることが多い。鈴の音には邪気を祓い、神様をお呼びするという意味がある。
次に、お賽銭を入れ、再び軽く一礼する。このあと「二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝。出雲大社などごく一部の神社では「四拍手」)と呼ばれる手順を踏むが、ここでは少し丁寧なやり方を紹介しよう。
最初の「二礼」は腰が直角に近く曲がるほどの深いお辞儀である。続く「二拍手」だが、両手をしっかりと合わせて叩いている人が多い。しかし、それは間違いだ。神道では「左は神、右は人」という考え方から、左優先であることを思い出して欲しい。
ここでも、両手を合わせたら右手を少し下に引き、左の手のひらの上に右手の指が重なった状態にする。その状態で手を叩くと、小気味のいい音が鳴る。
このあと心の中で願い事を唱えるのだが、まずは自分の名前、住所を言い(特に初めてお参りする神社の場合)、「いつもお力をありがとうございます」などと神様への感謝の言葉を述べ、続いて願い事を簡潔な言葉で唱える。
もしも後ろに並んでいる人が多くなければ、簡単に祝詞を上げてもいい。
祝詞とは神前で奏上する言葉のこと。その形式を借り、「掛まくも畏き(恐れ多いほど威厳のある、の意)」と言ってから、参拝している神社の祭神の名前を読み上げ、続いて願い事を述べ、最後に「白す事を聞食せと恐み恐みも白す」(申し上げた事をお聞き届けくださるよう、恐れ多くも申し上げます、の意)という。
●ごうだ・みちと/1961年北海道生まれ。歌手、作家。年間のべ200ほどの神社を参拝している。著書の『神社の謎』シリーズ(祥伝社)が累計10万部超のベストセラーになっている。12月24日に『あなたの願いをかなえてくれる神社』(同)が発売。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2016年12月23日号