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山口組幹部が大株主だった企業の言い分「株式市場は売買自由」

山口組幹部が大株主だった企業の言い分

 山口組分裂による抗争が、水面下でくすぶる中、警察当局は抗争の資金源を断つため、“ヤクザ株主”の取り締まりに乗り出した。2011年に暴力団排除条例(暴排条例)が全国で施行され、暴力団のシノギは大きく制限された。銀行口座や証券口座は開設できなくなり、取引も禁止され、彼らは金融市場から一掃……されたはずだった。しかし、いまだにヤクザ株主は存在している。暴力団事情に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏が言う。

「条例施行前からの株主であるヤクザに対しては、証券会社は証券口座を強制的に解除させることはできず、閉鎖をお願いしてもヤクザから“売却して損したら保証してくれるのか?”と凄まれたら、何も言えない。結果的にヤクザ株主は放置され、今でも配当を受け取っている現状がある。株式市場において、暴排条例は“ザル法”になっている側面がある」

 しかし、今年に入ってから警察当局は、新規の口座開設だけでなく既存の証券口座にもメスを入れ始めた。その結果、大物ヤクザ株主が網に引っかかったという。

「ジャスダック上場の『A社』の事務商品販売企業の大株主として、山口組直参幹部のX氏の名前が有価証券報告書に記載されていたことが今年4月に分かった。X氏はビシッとスーツを着こなした外資系サラリーマン風で、一見するとヤクザとは思えない。金融事情に明るい、“インテリヤクザ”だ」(捜査関係者)

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