医療の進歩によってペットの長寿を実現する体制は整いつつあるが、それでも飼い主のサポートは必要不可欠だ。例えばペットの犬や猫が病気のときにはどんなペットフードが良いのか。
「獣医が処方するものを与えるのがベストです。症状に応じた『処方食』と、豊富な栄養が含まれる『栄養食』の2種類があり、処方食はいわば“食べる薬”なので治療効果がある。
一方で、『処方食』を量販店などで購入し、与えることはやめたほうがいい。医師はペットごとに、そのときの症状に併せて処方食を出している。飼い主が個人の判断で与えてしまうと、副作用などでかえって健康を害してしまう」(ウスキ動物病院院長の臼杵新氏)
最近、CMなどでよく見かける「ペットのおやつ」と称されるペースト状のペットフードの台頭も目立つ。
「原則的にオススメはしません。水分量が90%以上なのであまり水を飲まない猫にとってはメリットがありますが、栄養より味を重視したものが多く、カロリーも高めで、高血圧や心臓病などのリスクを高めるため、いくらペットが喜んでもほどほどにしましょう」(同前)
食事以外にも、日常のなかで意図せず、ペットの健康を害している行為が多々あるという。
「犬にシャンプーをする回数には注意が必要です。屋内犬で月に1~2回、屋外犬ならひどく汚れたときに洗うだけでよい。洗う回数が多いと、皮脂を落としすぎてしまいかえって免疫力を低下させてしまう」(同前)
ほかにも、「ご長寿猫研究会」が平均寿命を超える長寿猫103匹の飼い主にアンケートを取った結果には、興味深い指摘がある。「歯が健康な猫は長生き」というのが通説だが、長寿猫の中で歯を磨いている猫は1匹もいなかったという。一方で大半の猫は歯肉炎を患っていたというから、歯の健康だけが長寿の秘訣ではなさそうだ。
※週刊ポスト2016年12月23日号