2016年を振り返ると、日本の政治家による失言の数々が思い起こされる。1月は、あの自民党イクメン議員の“ゲス不倫”で幕を開けた。
「人間としての欲が勝ってしまった」
そう語って憲政史上初の「不倫による議員辞職」を表明したのが宮崎謙介・前代議士だ。2015年末に政界きっての美人代議士として知られる金子恵美氏と“できちゃった結婚”して同僚の独身議員たちにうらやましがられ、男性議員の育児休暇取得を主張して“イケメンのイクメン議員”として売り出し中だった。
ところが、妻が切迫早産で入院している最中(2016年1月)に女性タレントを自宅マンションに宿泊させていたことが発覚。辞めたくないとさんざんマスコミから逃げ回った挙げ句、新妻に「恥をかいてきなさい」といわれて渋々開いた辞職会見(2月12日)では、「日本に夢を与えたい。その気持ちは今でも変わりません」と議員バッジに未練たらたら。すっかり男と自民党の評判を下げた。
ゲス不倫の直後に飛び出したのが『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で有名になったタレント弁護士、丸山和也・参院議員の人種差別発言。
「米国は黒人が大統領になっている。これ奴隷ですよ」(2月17日の参院憲法調査会)
実は、丸山氏も不倫疑惑の当事者だった。ちょうどこの頃、丸山氏がかつて顧問弁護士を務めていた探偵事務所の女性関係者との間に交わした交際メールが流出。女性は本誌取材に対し丸山氏と不倫関係にあったと証言していた。丸山氏が失言で謝罪に追い込まれたのは、本誌が丸山氏に不倫疑惑について回答を求めていたタイミングだった(本誌2016年3月4日号既報)。
※週刊ポスト2017年1月1・6日号