12月某日、都内のチェーン居酒屋の一室で、20代から50代の“億り人”約40人が集まる会合が開かれた。億り人とは株式投資などで資産1億円以上を築いた投資家たちのことだ。参加者の一人が語る。
「集まったのは、(米国の)トランプ政権誕生でストップ高を演じた銘柄を以前から仕込んでいた人や、米大統領選当日に112万円儲けた人などで、皆、それぞれが独自の理論を持っています」
2.1億円の資産を運用する個人投資家の「かぶ1000」氏は、トランプバブルの恩恵を受けた“ネオ億り人”のひとりだ。
彼の投資術は割安な株を安い時に仕込んで利益を出す“バリュー株投資”がメイン。しかし、この手法だと市場から注目されずに放置され、株価が上がらないことも多い。そこで、トランプバブルの恩恵を受けるため、彼は戦略を変えた。
「相場全体が上昇傾向にある中では、銀行株や大手企業の株を買えば確実に儲かるが、上昇幅という意味では少ない。
僕が狙ったのは大手企業の子会社や関連会社の株。親会社と連動して上昇する可能性が高いし、時価総額の低い子会社なら、少しの資金で株価が大きく上がる。上がった株には買いが集まるので、結果的に上昇幅がかなり大きくなる」
「かぶ1000」氏は、この理論でポートフォリオを組み替えた結果、トランプ当選以降の1か月で2000万円もの利益を出した。
「今後、こうした小型株が上がる可能性が高いと思っています。2017年の年始には大型株が上がり過ぎと見られ、投資家たちが出遅れている小型株に物色を広げる可能性もあるからです」
※週刊ポスト2017年1月1・6日号