国際情報

トランプ氏のイスラム教徒入国禁止は米国内テロ頻発を招く

米国内では激しい抗議デモも発生している Reuters/AFLO

 ドナルド・トランプ政権でアメリカの外交政策が大きく方針転換すれば、日本もそれに対応しなければならなくなる。大前研一氏が「新たなアメリカ」との向き合い方を指摘する。

 * * *
 今後もトランプ氏の外交スタンスが変わらなければ、まさにアメリカの政治学者イアン・ブレマー氏が言うところの「Gゼロ」(G7を構成する主要先進国が指導力を失い、G20も機能しなくなった国際社会)時代が本格的に到来し、世界秩序は激変するだろう。そうなったら日本も安全保障政策を、建前ではなく本音で、根本的に考え直さなければならない。

 少なくともロシアとの間では、12月のプーチン大統領来日時にアメリカが機能しなくなった世界を前提に話し合うべきだし、場合によっては中国との間で万一の事態が起きないようにガイドラインを作ったり、「日中“疑似”安保条約」のようなものを締結したりする必要があるかもしれない。今のように安倍晋三首相がアメリカを後ろ盾にしながら、中国にちょこちょことジャブを出すという状況は危険極まりないと思う。

 あるいはTPP(環太平洋経済連携協定)ならぬ、「TPSP(Trans-Pacific Security Partnership=環太平洋安全保障連携協定)」を、オーストラリアやニュージーランド、東南アジア諸国と結ぶことも必要になってくるだろう。さらにアメリカ、中国、ロシアとの等距離外交まで視野に入れておくべきだと思う。

 これまでアメリカは多額の軍事費を使い、「世界の警察官」としてふるまってきた。しかし、すでにバラク・オバマ大統領は世界の警察官をやめると宣言した。トランプ外交はそれを加速すると思われるので、世界はいっそう混迷を深めるだろう。

関連記事

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト