政治家の失言、珍発言といえば自民党議員によるものというイメージが強いが、選挙イヤーだった2016年は野党も負けていなかった。参院選や都知事選で影が薄かった民進党は、9月の代表選でようやく国民の視線が向けられた。
選挙戦は結果的に勝利を収めた蓮舫氏が、言葉の力で男たちを圧倒。外国人記者クラブの出馬会見(8月23日)で、「岡田(克也)代表は本当につまらない男」とこきおろし、立ち会い演説会で涙を流した対立候補の玉木雄一郎氏には、「玉木君、男なら泣くな」とバッサバッサと切りまくった。だが、その強気の姿勢が台湾との二重国籍疑惑で裏目に出た。
「私は生まれた時から日本人」
と、最初は疑惑を全面否定していたものの、17歳で日本に帰化した後もずっと台湾籍が残っていたことが判明。党内から「代表選をやり直せ」という声があがって代表デビューにミソをつけてしまった。
岡田前代表の蓮舫発言へのコメントはこの人らしく地味だが秀逸。
「妻からつまらないといわれたらショックだが、蓮舫ならショックは受けない」
ナットク。
※週刊ポスト2017年1月1・6日号