10月22日、上海に慰安婦像が設置された。中韓の芸術家らが寄贈したものだ。同日、「中国“慰安婦”歴史博物館」も開館した。慰安婦問題を終わらせない“中韓共闘”の現場をジャーナリストの西谷格氏が訪れた。上海師範大学のキャンパスの芝生の上にチマチョゴリを来たおかっぱアタマの少女と漢服に身を包んだ少女が二人、姉妹のように並んで椅子に腰掛け、険しい表情でまっすぐ前を見つめていた。
そのすぐ近くの建物2階に博物館はあり、無数の元慰安婦とされる人々の顔写真が散りばめられ、遺品が展示されていた。争点となっている「強制性」についての説得力は弱い。だが、日本政府がろくに謝罪をしていないという説明パネルが続いた。
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腑に落ちない気持ちを抱きながら出口へ向かう。カウンターに座っていた女性スタッフは大学院生だそうで、疑問をいくつかぶつけてみた。
──日本は一切謝罪してない?
「韓国の慰安婦に対して謝罪はしているけど、中国やそのほかの国の慰安婦には謝罪していません」
──しかし、2001年に小泉純一郎首相が、すべての慰安婦に対して謝罪していますよ(ほら、とスマホの画面を見せる)。
「うーん、それは中国ではあまり報じられていないし、知られていないですね。教授に伝えておきますよ」