天皇陛下にとって激動の一年となった2016年。多忙の合間をぬって、生物学者でもある陛下は2本の研究論文を発表された。うち1つの題材は「たぬき」。陛下は皇居に棲むたぬきのフンを5年間にわたって採取、分析された。生き物への優しい眼差しが目に浮かぶようだ。そうした命あるものを慈しむお気持ちは、孫の代までしっかりと受け継がれている。
12月1日、15才を迎えられた愛子さまの誕生日写真では、1匹のトラ猫が愛子さまの膝の上でくつろいでいた。
「名前は『セブン』。由来は7月生まれだからだそうで、9月に皇太子ご一家のもとにもらわれてきました。もともと保護された猫だったそうです。現在はセブンの他に『みー』というトラ猫と『由莉』という雑種犬を飼っていらっしゃいます。室内で飼育されているそうで、愛子さまは散歩に連れ出されることもあるようです」(宮内庁関係者)
愛子さまがお生まれになる前から、皇太子ご夫妻は「ピッピ」と「まり」という2匹の犬を飼われていた。赤坂御用地に迷い込んだ雌犬が産んだ10匹の子犬のうちの2匹で、愛子さまが誕生されてからはご一家で愛情を注がれた。だが、2009年2月にまりが、同年9月にピッピが相次いでこの世を去った。当時、愛子さまは7才だった。
「ご夫妻は愛子さまに“動物はかわいがるだけでなく、命の最期まできちんとお世話をしなければならない”ということを体験させられたのです。2匹を看取られた愛子さまも“生きとし生けるものとの別れはかならず来る”とお感じになったと思います。それは『命の教え』でした。雅子さまが赤坂御用地でけがをしたたぬきを見つけ、手当を求められたこともありました。回復すると、愛子さまもご一緒に3人で自然に返されたといいます」(前出・宮内庁関係者)
皇族方とペットとの関係は、そのまま天皇皇后両陛下の持たれている精神に端を発する。
「昭和天皇が自ら動物を飼われていたという話は耳にしたことがないので、ペットとして飼いはじめられたのは両陛下が初めてだと思います。身近に動物の存在を置くことは、お子さまたちの情操教育にも一役買うとお考えになっていたのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
皇室に語り継がれるエピソードのひとつに、「テンジクネズミ事件」がある。