スポーツ

箱根駅伝豆知識、良い選手は白バイについていかない

3区走者は釣具店・タックルベリー前の戸塚中継所から飛び出す

 ついに箱根駅伝が迫ってきた。陸上長距離専門ウェブメディア「EKIDEN NEWS」の“博士”こと西本武司氏と相棒の“マニアさん”による、観戦ガイド【3区】をお届けしよう。

◆21.4km 区間記録:1時間1分38秒/O・コスマス(2012年、山学大)

【1月2日10時40分頃】「浜須賀」手前の“悪路はちょっと心配だぞ!

 遊行寺の坂を下ると、「浜須賀交差点」(11.9km地点)で海岸線沿いの国道134号に合流する。その手前の県道30号(通称・湘南新道)を実際に走ってみると、アスファルトが古く路面に凹凸があることに気づいた。平地でリズムに乗ってペースを上げたいところだが、精密機械のような長距離選手が足を取られ怪我でもしないか心配だ。神奈川県藤沢土木事務所には一刻も早い舗装工事をお願いしたい。

【1月2日10時43分頃】正月の富士を望む“絶景歩道橋”あり

 浜須賀交差点の歩道橋は、選手の通過前後は落下物対策もあって通行できないが、最後尾の選手が通り過ぎるとすぐに規制が解除される。天候に恵まれれば、選手の走って行く方角に富士山を望める絶好スポットだ。誰かと一緒に現地観戦する人はこの絶景を見せて”現場を知っている感”を出してみよう。

【1月2日10時55分頃】いい選手は「白バイについていかない」

 海沿いの国道は直線のように見えて緩やかに蛇行している。道幅も広いので、「カーブの内側と内側」を結んだ最短距離を進まなければ最終的に数百m単位でロスになる。冷静な選手ほど漫然と白バイについて行かず、「次のカーブの内側」へとシビアに最短距離を取る(私は12月4日に同じコースを走る湘南国際マラソンに出場しそれを確認した)。「最短距離の法則」は1区・10区の4車線道路にも当てはまる。テレビ観戦組は、路上の白線をゆったりと斜めに横切る選手から目を離すな。

【1月2日11時頃】「風」と「檄」の名所・湘南大橋

 直線コースが続いてきた3区は湘南大橋を過ぎたラスト2km手前に「監督の檄」のスポットがある。檄といえば駒澤大の大八木弘明・監督の「漢だろ!」があまりに有名。駒澤大の選手はその声を聞くと反射的に体が動き出すとされる。監督たちの声を号砲に最後のスパート合戦が始まる。4区へと襷をつなぐ平塚中継所はかつて「ファミリーマート花水レストハウス店」だったが、2012年の大会後に撤退したため更地である。新たなコンビニの出店が望まれる。海沿いの湘南海岸ランニングコースでは朝日を浴びながら、アップする選手に出会える。

撮影■マニアさん

※週刊ポスト2017年1月1・6日号

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン