SMAPは、常に道なき道をゆくパイオニアだった。中居正広(44才)が紅白歌合戦の司会やニュースキャスターを務めあげれば、木村拓哉(44才)はドラマ『ビューティフルライフ』(TBS系)に、草なぎ剛(42才)は『いいひと。』(フジテレビ系)などに主演し高視聴率をたたき出す。稲垣吾郎(43才)は『ゴロウ・デラックス』(TBS系)などでその多才ぶりを発揮。香取慎吾(39才)が扮した“慎吾ママ”の決めゼリフ「おっはー」は流行語大賞を受賞した。
国立競技場で初めて単独コンサートを開き、『夜空ノムコウ』や『世界に一つだけの花』は音楽や英語の教科書にも掲載…。しかし、国民的スターになるまでの道のりは、決して平坦ではなかった。
本誌・女性セブンの表紙を最初に飾ったのは、意外にも1997年。誌面にはたびたび登場していたものの、前年の1996年に『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)がスタートし、押しも押されもせぬスターになってからの登場だった。デビューしてから6年もたっていた。
例えばジャニーズWESTはデビューして1年もたたないうちに、そしてKAT-TUNはなんとデビューする前から表紙に登場していたことを考えても、SMAPの「表紙デビュー」がいかに遅かったか、おわかりいただけるだろう。芸能を追いかけて40年超、女性セブンのベテランカメラマンTが振り返る。
「それまで、『女性セブン』の表紙を飾っていたのは、松田聖子や中森明菜、ダイアナ妃などで、折々の時代を象徴する女性を表紙に掲載するのが鉄則だったんです。もちろんスキャンダルなどで時の人となった男性で表紙を飾る人もいましたが、それまでアイドルグループが表紙に載るということは、ぼくが知る限り、まずなかったと思います」
そんな記念すべき“表紙初登場”した号では、グラビアページでコンサートツアーの最終日をレポートした。26公演55万人を動員したこのツアーのラストは横浜で行われた。あいにくの雨だったが、会場の熱気はものすごかった。
「彼らは最後、ファンにありがとうございましたっていうお辞儀が深々としてて驚くほど礼儀正しかった。だって、ここまで来るのは、相当大変な道のりだったんですから」
※女性セブン2017年1月5・12日号