2017年の干支は酉年。干支と景気の相関はどうなっているのか。また2016年には米大統領選が実施されたが、その翌年の株価・為替はどう動く傾向があるのか。「ジンクスの達人」として知られるエコノミストの宅森昭吉氏が解説する。
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十二支に注目すると、2017年の干支である酉年の戦後の株価は、平均15%もの株高を示している。この期間の酉年は5回あり、そのうち4回で株価は上昇している。これは前年大納会の終値を基準にしているので現段階で予想はできないが、現在の水準から単純に計算すれば日経平均は2万円前後に達することになる。
為替では変動相場制に移行した1974年以来、酉年は4回訪れているが、そのうち3回は円安になっている(米ドル/円は平均で2.6%円安に)。また、アメリカ大統領選の翌年は過去5回連続で円安となっており、平均して10.9%ほど円が下落しているというデータもある。
現状の日本の景気は、方向性がはっきりしない不透明な状況が続いていたが、少しずつ改善の兆しが見え始めている。景気動向指数の基調判断も1年半にわたる「足踏み」が続いているが、一致指数が3か月連続で上昇すれば「改善」となる。
一致指数に最も影響を与える鉱工業生産指数が8月分で「緩やかな持ち直し」に上方修正され、その傾向が続いていることから、景気動向指数も12月には「改善」に戻る可能性が高い。はたして2017年は日本経済の復活の年になるのか、今後の動向を注視してみたい。
【PROFILE】たくもり・あきよし:さくら証券、さくら投信投資顧問のチーフエコノミストを経て、現在は三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト。ESP景気フォーキャスト調査委員会(日本経済研究センター)委員、景気ウォッチャー調査研究会(内閣府)委員。著書に『ジンクスで読む日本経済』など。