新聞・雑誌がこぞって書評特集を組む時期だが、世の中には意外な読書家たちがいる。風俗グループ経営者の河西あきら氏が感銘を受けた「愛読書」はいったいどんな本なのか。
河西氏は、札幌、福岡、那覇などで50のファッションヘルスを展開する「YESグループ」を率いる“平成の風俗王”は意外にも心温まる家族物語に影響を受けた。
「お店の女の子に薦められて、『小さき者へ』(重松清・著/新潮文庫/710円・以下価格は税抜き)を読みました。ちょうど自分の子供が生まれた頃で、“大人は子供のために生きるものなんだ”と自覚しました。子供だけでなく、弱い立場の人を守らなくてはならないと思わせる小説で、“従業員やお店の女の子を大切にしないといけない”と改めて自覚しました」
最近感銘を受けたのは、質素な暮らしで知られる元ウルグアイ大統領の金言を集めた『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』(佐藤美由紀・著/双葉社/1000円)だ。
「『貧乏とは、少ししか持っていないことではなく(中略)もっともっと欲しがること』という言葉が心に刺さりました。カネに縛られた生活をしている私に、心が豊かでないといけないと教えてくれた一冊です」
※週刊ポスト2017年1月1・6日号