小涌谷踏切では、当日は電車のほうが止まって選手の通過を待つ
ついに箱根駅伝が迫ってきた。陸上長距離専門ウェブメディア「EKIDEN NEWS」の“博士”こと西本武司氏と相棒の“マニアさん”による、前観戦ガイド【6区】をお届けしよう。
◆20.8km 区間記録:58分9秒/秋山清仁(2016年、日体大)
【1月3日5時30分】始発の登山鉄道に乗り込む意外な“ランナー”たち
6区を見るなら小田原から箱根登山鉄道の始発に乗ってみよう。10月の予選会で敗退した有力校の部員たちが「補助員」の黄色い帽子を被って乗り込んでくるところに出くわす。「選手」として夢見たこの箱根に「交通整理役」を担って登らざるを得ない彼らの悔しさを想像するだけで、鼻の奥がツーンとしてくる。
ちなみに登山鉄道の小涌谷駅でバスに乗り換え「国道1号最高地点」に行くなら「曽我兄弟の墓」のバス停で下車。選手が通過する際は監督車もなく、他に観客もほとんどいない。「2人きりの時間」を楽しめる絶好スポットだ。
【1月3日8時58分】「かまぼこ鈴廣本店」の地下駐車場は血まみれ!?
6区の終点は「鈴廣蒲鉾本店」。その地下駐車場が走り終えた選手たちの休憩場所だ。箱根の山下りが選手の足にかける負担は相当だ。ブレーキをかけながら駆け下りるとシューズ内で血豆が破れ、ソックスは血で染まり、足裏の皮は剥がれる。
私は地下駐車場に足を踏み入れた瞬間、歴代6区走者の「足裏の皮」が落ちていないかを思わず探した。6区を現場観戦したら、少しの距離でいいのでその足で山を歩いて下りてみてほしい。太ももとふくらはぎへの衝撃を感じれば箱根ランナーへのリスペクトは必ず増す。
撮影■マニアさん
※週刊ポスト2017年1月1・6日号